変容と身体

サバイバルモードの身体になっている人に、​
「恐れを手放せ」​
「自己受容しろ」​
というのは、​
生き抜くためにしてきた武装をすべて解除し丸腰で戦場に出ろ、​
と言っているのに等しい。​
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アタマではわかっていても、​
その人の身体がこの世を査定した評価は​
「ここは油断できない危険な場所だ」​
となっているのだし、​
それはその人の人生の文脈の中では致し方ないこと、​
というか生き抜くための正しい戦略だったのです。  ​
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ではどうしたらいいか。​
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もう今やその戦略は必要ない、​
今はその武装はただ重荷になっているだけ、​
だからもう手放して大丈夫なのだと、​
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「身体」がこの世界を安全だと評価し、​
サバイバルモードを解除出来るようにしてあげること、なんですね。​
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変化を強要するのではなく、​
安全を知覚できるように援助してあげること。​
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身体に深く入っているものが、世界観のベースです。​
アタマが言うことと、身体が言うことが食い違ったら、​
生命が優先するのは「身体の声」。​
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だから、具体的に出来ることは、適切に身体をリラックスさせ、
なめらかにしなやかに使うことを、プロに手伝ってもらうなり、
自分でソマティックな手法でとりくむなりすることです。
ヨガだってストレッチだってマッサージだっていい。
ボディーワーカーだから当然、
まずはプロにボディーワークのセッションを受けることをおすすめしますけれどもね。​
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より楽で自然なあり方とはどういう状態なのかという​
身体感覚をみつけ、味わっていけばいい。​
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自分の傷に向き合う!とか、​
ネガティブなパターンを克服する!とか、​
新しい自分になるとか、​
それは「安全」を感じる身体の中で出来る作業です。​
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だから、深い心理ワークやシャドウに取り組むときは、​
身体が、変容をロックする状態になっていないかに注意しながら、
できればカラダをリラックスさせることと同時にやるのがオススメです。​
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身体が怖がっているのに、無理やり心をこじ開けようとするのは、自分にも他者にも、
ある種の暴力的な行為、​
ときにはその事によってより深く傷つきます。​
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他者援助の仕事の方には特にこの仕組をお伝えしたい。​

「安全は全てに優先する」​
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と、・・・工事現場に書いてありました!​
その言葉は真実だと感じているので、目黒駅でそれを見かけハッとしました。​
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今ここにいることが安全だと、身体で感じられて初めて、​
私たちはほんとうの意味で他者とつながり、ささえあい、​
可能性を広げることが出来るのだから。​

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■『臨床身体学ラボ』近日オープン予定!
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