History/ここまでの年表

小笠原和葉 1975年横浜生まれ

小学生時代  

夜ベッドに寝ては「この屋根の向こうは宇宙だ。星がある。その星がある空間をずっと行ったら端っこはどうなっているんだろう?星がなくなっても、”なにもない空間”があるんだよね?”なにもない”をずっと先まで飛んでいくとそその外側はどうなんっているんだ?」と考えながらワケがわからなくなって寝る、を毎晩繰り返す。

小学6年生

①図書館で天文学の本を読み、ケプラーの法則(※)を知って衝撃を受ける。
「え、これ神様いるって決定じゃん!!」
(※ヨハネス・ケプラーによって発表された惑星の運動に関する法則。)
②沖縄の石垣島でハレー彗星を見る。その際に大口径の望遠鏡で土星の神秘的な姿を見て、宇宙への思いが決定的になる。
プラネタリウムの解説員に相談し、将来は「物理学」を学ぶのだとアドバイスされる。

高校一年生

物理の授業で斜方投射の方程式を習い、ケプラーの法則に次ぐ衝撃を受ける。「目に見えない法則にあまねく司られていて、すべての人が知らないうちに法則というベルトコンベアーに乗って運ばれているだけなのだ…」。これ以来「背後にある原理原則」について常に思いを馳せるようになる。

高校2年生

テレビを見ていてふと「人は結局幸せになりたいのだな?」「だったら、お金とか仕事とか、そういうものを経由せずいきなり幸せを感じる感覚になったらそれでゴールなのだな?」と思う。ではしあわせとはどういう感じなのだろう?
→生涯のリサーチクエスチョンへとつながっていく。

大学入学〜大学院

宇宙物理学科修士課程まで学ぶ。研究テーマは高エネルギーガンマ線宇宙物理学。ブラックホール等の、目に見えない天体の観測・実験データ解析を通して、目に見えない物の検証スキルをトレーニングされる。
一方、「時間」について先生を問い詰めては「そういうやつは哲学科に行け」と言われ続ける。

エンジニア時代

研究時代から悪化し始めた子供の頃からのアトピーやアレルギーが重症になり休職して治療に専念するも一進一退。そんな中ヨガに出会いなぜかどの医療よりも改善する。ある日のこと自宅でヨガをやりシャバアサナで横になっていると突然「はっ!」「わたしがいた!」「隅々まで私の身体がある」という感覚に打たれる。そしてその後急激に回復。心と身体のつながりに興味を持ちボディーワーカーに転職。

ボディーワーカーに転身

さまざまな技法を学び体験する中で「クラニオセイクラル・セラピー」に出会う。最も何もしないセラピーでありながら大きな変化を引き起こすこのセラピーに興味を持ち、「心と身体」「ニンゲンのしくみ」の面白さにハマる。

ソマティック・エクスペリエンシング®に出会う 

同時にこの身体志向のトラウマ療法の基礎理論となっている「ポリヴェーガル理論」に出会い、これまでの臨床体験の謎が次々に解けてゆく。さらに「しあわせとは身体にとってどのような状態なのか?」というリサーチクエスチョンにひとつの答えが見つかる。

PBM(プレゼンス・ブレイクスルー・メソッド®)を開発 

心と身体のつながりについてひとそろいの理論とワークを開発し9日間のプログラムとして提供。約3年間で延べ2000人が受講する。

フィールドを広げる 

2018年頃より、マインドフルネスのブームに興味を持ち研究する中で、社会課題と身体性の関係に気づく。同様の問題意識を持つ人々共にディスカッションをかさねるようになり活動のフィールドが広がる。

医学研究生へ

ホリスティック・オルタナティブ界隈にいたが、ご縁あって東北大学医学部大学院の研究生に。医学が人をどのように見るかを、医療現場を含め経験する。企業との共同研究も体験。(継続中)

医療人類学に出会う

並行して、東畑開人先生の臨床心理学の講座を受講。心理学史を学ぶことで、人間の全体性における身体性の意味と立ち位置について新たな視点を得る。同時に、医療人類学、なかでもクラインマンのヘルスケアシステム理論に出会い、これまであらゆる経験がつながり目から鱗が落ちる。

「臨床身体学」着想

この頃より、企業や組織からのご相談を受けることや、身体性についてお伝えする機会が増えていくが、ボディーワークや身体性の領域にそれらをひとつにつなぐ学問体系がないことに疑問を持つ。臨床心理学があるのに、なぜ臨床身体学がないのだろう?そんな疑問から、この学問領域を立ち上げる(←イマココ)。